なぜこういうことになっていたのかわからないが、社内のネットワークを設計した当時のNTTの資料には、このアドレスでは社外へのアクセスに支障が出ると書いてあったので、わかっていてやったことのようだ。
当時はまだこの番号は割り当てられていなかったのかもしれないが、あるときファイアウォールの設定を表示させてみると、この番号に割り当てられているドメイン名が番号の代わりに表示されることがわかった。しかも、それは日本国内のドメインであった。IPアドレスが共通のサイトへのウェブアクセスはプロキシサーバを導入していたので問題にはならないだろうと思ったが、後になればなるほど変更が困難になると思ったので、正しいプライベートアドレスに変更することにした。
パソコン300台ほどを一斉に変更するという計画をたてたのだが、やはり怖い。そこで、順次変更していくことができないかと考えて、LAN上に新旧両方のIPアドレスを共存させるテストをしてみると意外にも共存できることが分かった。両方のIPアドレス体系のインタフェースを持ったゲートウェイを作って物理的には同じLANに接続したら、ちゃんと相互間の通信ができたのである。それで、同じプリンタを使う職場を一つの単位として順次切り替えを進めることができた。実際に切り替え作業をやってみると、いろいろなトラブルがあり、全社一斉に切り替えたりしていたらとんでもないことになったであろうと、あとで胸をなでおろしたのであった。